雑記

面白いと思ったことをまとめます

【ブルーバックス】怒られた後に涙が出るのはなぜ?【自律神経の科学】

参考図書

主に「第二章 涙や唾液や自律神経」を参考にしました。本書では唾液分泌と流涙の共通点など交えながら、より詳しく解説されています。

怒られている最中より、怒られた後に涙が出るのはなぜ?

 怒られて涙が出てきたという経験は誰しもが持っていると思います。怒られている最中には涙は出てこず、その後に気持ちが落ち着くと涙が出てくるのではないでしょうか*1。これはどうしてでしょう?それには神経、特に自律神経の働きが関わってくるのです。

 結論を先に述べますと、怒られている最中には交感神経の活動が高まり、説教が終わるとその活動が減衰します。その変化とは逆に、今度は副交感神経の活動が高まってくるのです。交感神経の一過性の高まりが、副交感神経の働きを促進することで涙が出ると考えられています*2

 そもそも涙はどこから出てくるのでしょうか?

 まず、涙は目のすぐ隣にある涙腺という器官から分泌されます。涙腺には神経が走っていて*3この神経の働きにより、涙が出るのです。涙腺がどのような構造で、どのように涙が出てくるのかの詳細は後半にご説明するとして、自律神経の説明をします。

涙の自律神経

 自律神経が神経系においてどこに位置づけられるかは教科書的なので割愛します。さて、涙腺へ投射する副交感神経は脳幹(上唾液核)から出る一方で、交感神経は胸髄から出発します。これらは途中で翼突管神経でまとまりながら、涙腺へ投射しています。

涙腺の構造

 涙腺にある分泌細胞から涙が分泌され、それがDuctを通ってくるようです。流れ出た涙は涙点から体内へ入り、鼻腔へと抜けます。

まとめ

 なんで一過性の交感神経の活動が大事なんでしょう?実は交感神経も副交感神経も涙の分泌を促進する働きを持っている…

*1:怒られている最中に涙が出てくることもあります。私も子供の頃に経験しました

*2:図の自律神経の活動はイメージです。実際には交感神経の活動はより短時間かもしれません

*3:専門的には神経が涙腺へ投射していると言います。